Project
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東北げんKIDS!プロジェクト

エピソード

2011年3月。大震災の衝撃が尾をひく福島県いわき市で、NPO法人ツークンフトロカールの活動は始まりました。

外で自由に遊ぶこともままならず、不安を抱えて生きる子供たちに、かつてのような笑顔を取り戻したい。

そんな想いから、運動ができる環境を整え、スポーツ教室やイベントを開催し、新しい日常生活を提案する。ささやかではありますが、継続して活動を続けてきました。

震災復興を掲げた活動は多々ありますが、一度限りの単発的なイベントで終わってしまうものも決して少なくありません。訪れては消える一過性のものではなく、明るい未来へつながるような持続的な活動ができないものでしょうか?

「東北げんKIDS!プロジェクト」は、ツークンフトロカールの活動を早くからサポートしてきたドイツ人指導者 ゲルト・エンゲルス氏の提言から生まれました。

 

将来を担うリーダーの育成を目指して

このプロジェクトは、スポーツ、カルチャー、知育、食などさまざまな分野の活動を展開し、参加者に日常的な歓びや学習の楽しさ、新しい世界との出会いを提供することで、自立性を促し、将来の震災復興を担うリーダーを育成することを目的としています。

また、それらの活動にまつわるイベントの運営を地元のコミュニティが主体となって行うことで、地域発信型・自発型の震災復興をサポートします。

第一弾として2015年よりスタートしたのが、サッカーを中心とする活動「Mit Ball Spass(ミット・バル・シュパース)」です。

ドイツから、トップクラスのサッカーコーチが来日

  • プロジェクトの発端は、元浦和レッズの監督、ゲルト・エンゲルス氏。ドイツに拠点をおくNPO団体Auf Ballhöheによる、アフリカ諸国でのサッカー教育活動をモデルに展開され、活動にあたっては、Auf Ballhöheに加え、ドイツサッカー協会からも全面的にサポートいただいています。
  • ドイツサッカー協会とAuf Ballhöheの協力のもと、トップクラスのサッカーコーチ陣から成るドイツ派遣チームが被災地を訪問。放課後や週末を利用して、子どもたちを対象にサッカー教室を開催します。
  • サッカーだけでなく、地域コミュニティとの交流を図ります。
  • 派遣チームは、ホームステイや民宿を利用して、地域住民とともに生活を共有。サッカー指導のほか、仮設住宅や養護施設の訪問や、レクリエーション活動にも積極的にも参加し、地域コミュニティとの密な文化交流を図ります。

一過性のイベントで終わらせず、長期継続的な活動をめざします

  • 1ヶ月をひとつの単位=1ステージとして、東北3県に点在する被災地を拠点に活動。各ステージごとに後続チームが来日し、先着チームの活動を引き継ぎます。こうしたサイクルで、1年間にわたって活動します。
  • 最終ゴールは「完全復興宣言」です。
  • 本プロジェクトの活動は、1年間で幕を閉じるものではありません。2年、3年、、、10年、20年と継続し、最終的には、地域復興が完成するまで継続します。
  • 発起人であるエンゲルス氏も参加します。
  • スケジュールが許す限りにおいてではありますが、できるだけ来日して派遣チームと合流し、サッカー教室での指導を中心に参加します。

 

協力:Auf Ballhöhe

~空高く跳ぶボールに思いをのせて~

1996年、Mathias Eiles(マティアス・アイレス)氏によって創立された、ドイツ・ベルリンに拠点をおく登記社団(日本でいうNPO法人)。南アフリカとドイツ間の文化交流を中心に、異文化間における若手アスリート間の相互理解・交流・国際的視野の養成を目的とし、2004年より本格的に活動を開始。Eiles氏がドイツサッカー協会の職員であることから、同協会から多大な支援を受け活動している。

ドイツから若手選手や指導者をアフリカに派遣し、アフリカ現地でサッカーを中心としたイベントを企画運営。スポーツ活動を通して、子どもたちの自立性や社会的責任、知的競争力を高めるとともに、地域住民による社会活動への積極的参加を呼びかけ、コミュニティ全体の活性化にも貢献する。またスポーツ関連のイベントの他、障害をもった子どもたちを対象に文化的ワークショップを開催。生涯学習・技術の習得を支援する。

2008年より、アフリカ大陸最大のユース・サッカー・リーグを設立。現在も規模を拡大しながら、継続活動中。近年ではアフリカに限らず、アメリカ合衆国でも活動場所を広げている。